こんにちは。Kちゃん@楽々コンサル道です。
本日は、コンサルとして必須のビジネススキルを3つご紹介するシリーズの最終回 (第3回)になります。
→ 第1回:ロジカルシンキングの記事はこちらをご覧ください。
→ 第2回:仮説検証思考の記事はこちらをご覧ください。
コンサルとして10年以上やってきましたが、これが特に重要という3つのスキルのみをご紹介する今回の企画。
異論・反論はもちろんあるでしょうが、私個人としての想いをお伝えできれば幸いです。
- コンサルになりたて・今後なりたい方:
まずは、今回ご紹介する3つのスキルを習得しましょう。コンサルタントとして、必ず良いキャリアが築けるはずです。 - コンサルとして既に活躍されている方:
ご自身は当然身についていると思います。後輩や部下育成の観点でお役立てください。 - コンサル以外でビジネススキルを向上させたい方:
今回ご紹介する3つのスキルは、身に付けばコンサルのみならず、ビジネスパーソンとして非常に力がつき、様々な場面で活躍できるはずです。ぜひ身に付けてください。
では、早速いってみましょう!
ビジネススキルとは?
第1回、第2回の記事を読んでいない方のために、まずはビジネススキルに関する私の考え方を再度お伝えしておこうと思います。
※ 前回の記事を読んだ方は、繰り返しになりますので、飛ばしてください。
さて、「ビジネススキル」と聞いた場合に思い描くモノが人によって異なると思いますので、私の思い描くスキル像を最初にお伝えします。
超簡単に言うと、3つのレベルがあると思っています。
私は、この3つを包括して「ビジネススキル」だと考えています。
「レベル」といっても下位がなければ上位が成り立たないという話ではなく、あくまで使いどころ・汎用性としての分類と思ってください。

- 基礎スキル:汎用性【高】・習得優先度【高】
PC(パソコン)などのビジネスツール、「会議」や「提案」といったビジネスシーンに囚われない、超汎用的なスキル。
→ 今回の企画では、このスキルの中で厳選した3つをお伝えしています。 - 技術スキル:汎用性【中】・習得優先度【中】
基本的にPCを使うスキル。
Microsoft PowerpointといったPCで動かす各種ソフトや、「提案」「調査」「報告」といったビジネスシーンに特化したスキル。
コンサルの仕事はPC必須なので、汎用性はかなり高いスキルです。 - 専門スキル:汎用性【中~低】・習得優先度【低】
特定の業種業態や、ソリューションに特化したスキル。
「電力」「金融」「医薬」といったいわゆる業界知識や、「AI」「ブロックチェーン」などの技術的知見、「決済」「SAP」といった汎用/個別ソリューションに関する知識・技術が該当します。
コンサルで言えば各案件ベースで必要となり、また習得していくスキルなため、汎用性は相対的に低いと言えます。
それでは早速、「1. 基礎スキル」から厳選したコンサルの必須スキル3つをご紹介します!
コミュニケーション力とは
今まで紹介してきた必須ビジネススキルの1つ目・2つ目は、思考に関するスキルでした。
今回ご紹介する3つ目のスキルは、ちょっと趣向を変えたものになります。
そう、きっと誰しもが学生時代から色々な場面で耳にしてきたであろう、「コミュニケーション力」です。
思考しつつも言葉や態度で相手とキャッチボールをするスキルになりますが、『楽々コンサル道』では概ね10名~数百名規模のプロジェクトにおけるコミュニケーションを前提とします。
また、そのスキル内容は会話だけでなくビジネスシーンにおいてもっと重要なスキルを包含してコミュニケーション力と捉えます。
なお、この記事で語る内容は一部概論的、抽象的になっていますので、補足的な内容の記事は別に書く予定です。
さて、コミュニケーション力とは、具体的にはこの様なスキル構成になります。

- まずプロジェクト全体におけるキーパーソン=意思決定権を持つ人を見極めるとともに、自分に相対する「相手」とキーパーソンとの関係性を明確にします。
- 次に「相手」の人物像を見極め、
- さらに「相手」の言動の意図を理解します。
- 以上の理解を持った上で、自身の発言をします。
おそらく上記#3と#4が一般的なコミュニケーションの範囲と思いますが、それと同じくらい前段の#1、#2が重要と思います。
次項から詳しく説明します。
① キーパーソンの見極め
プロジェクトへの参画・遂行において、キーパーソンの見極めは非常に重要です。
なぜなら、その人物の意思決定=プロジェクトの意思決定であり、まさにキーパーソンの意向がプロジェクトの行方を左右することになるからです。
コンサルタントは、キーパーソンの意思決定を左右し、プロジェクトの行方をコントロールする存在になるのがベストです。
なぜならプロジェクトの規模が大きくなればなるほど、様々なステークホルダーがそれぞれの意思でプロジェクトに関与しようとし、プロジェクト全体のコントロールが難しくなるからです。
キーパーソンが複数存在する場合もあるでしょう。
この場合、全てのキーパーソンをコントロールする必要があります。
ではどの様にキーパーソンを特定し、プロジェクトをコントロールするのでしょうか?
大きく2通りの情報収集から見極めます。
大体のプロジェクトにおいて、この2つはどちらも実行するのが良いでしょう。(勿論、どちらか1つでキーパーソンを特定できた場合はこの限りではありません)
1) 事前情報からの見極め
1つ目は、プロジェクト参画の前、或いは直後に入手できる様々な情報から特定を試みます。
具体的には会社情報等の公知情報、プロジェクトの体制図、以前から参画しているメンバーからのヒアリングなどです。
例えば
・「ワンマン社長の直下案件だ」と聞けば、大体は社長がキーパーソンでしょう。
・或いはコンサルファームであればPM(プロジェクトマネージャー)から事前に「あの人がキーパーソンだからちゃんと押さえろ」と指示があるかも知れません。
・大規模プロジェクトの場合は体制図上に何らか記載があるかも知れません。
2) 現場での見極め
2つ目はプロジェクト参画直後からになりますが、実際にプロジェクトの現場に赴いた際、或いはオンライン会議において特定します。
クライアントの上司部下の関係性が明確であれば分かりやすいでしょうが、複数企業、複数部署の多様なメンバーが参画しているようなプロジェクトでは、肩書や体制上の役割だけでは見極めが困難です。
しかし現場で注意深く観察すれば、簡単に特定可能です。最近多いオンライン会議の場でも同様です。
具体的には以下のような人物がキーパーソンである可能性が高いでしょう。
– よく喋る人で、かつ周囲の信頼・影響力もある人:
→ 例えば業務経験の長いリーダー的存在の人。その人の発言に対して、周りが発言や雰囲気で強く同調します。
– 決定権を持つ人で、周囲がお伺いを立てる人:
→ (その人が会議中に全く喋らなかったとしても)決定の場面でその人に是非を仰ぐ/意見を求めるようなやり取りがあります。
さて、キーパーソンは特定できました。
問題は、そのキーパーソンと自分が相対する人物(仮にAさんとしましょう)との関係性です。
これは自分が直接キーパーソンと相対しない場合の話ですが、Aさんがキーパーソンの意思決定に関与するのかの見極めが最も重要です。
決定に関与できる人物であれば、Aさんを通してプロジェクトをコントロールすることが可能ですが、関与できない人物なのであれば、自分がキーパーソンと直接相対する場を別途設けるか、キーパーソンを動かし得る別のルート(Bさん)を確保する必要があります。

プロジェクトの意思決定に関与できないAさんと相対するのをやめろ、というわけではありません。
Aさんとのお付き合いは必要なら是非続けてください。
しかし、Bさんとも相対して、プロジェクト遂行においての重要なコミュニケーションはBさんと行って下さい、ということです。
② 人物像の見極め
Aさんがプロジェクトのキーパーソンまたはキーパーソンの意思決定に関与できる人物と仮定して話を進めます。
次に行うべきは、Aさんの人物像の見極めです。
これは主に会議や日々のやり取り等、Aさんと相対する中で見極めます。
自分が相対するAさんという人に、とにかく興味を持ってください笑
最低限の見極めポイントとしては、プロジェクト遂行に影響し得る以下の点になります。
1) 求める仕事のクオリティ
自分が業務において出すアウトプットや、会議や議論進行などにおいて、Aさんがどの程度のレベル・品質を求めているのか?ということです。
感覚的ではあるものの、明確に「このくらい」というのを自分なりに把握することが重要です。
Aさんとの仕事が初めてであっても把握は可能ですので、詳しくはこちらの記事をお読みください。
2) 性格や仕事へのスタンス
簡単に言えば、細かいか?大雑把か?ひいては仕事において気にするポイントは何か?ということです。
・非常にロジカルな人も居ますし、感覚的/キャッチーな言葉を重視する人も居ます。
・パッと見の絵面を気にする人も居ますし、詳細を気にする人も居ます。
・効率性を評価する人も居ますし、長時間労働を評価する人も居ます。
1)のクオリティコントロールとも繋がりますが、Aさんのツボや人となりを押さえることが重要で、これが次項の言動理解に繋がります。
慣れればAさんとのファーストコンタクトで上記の見極めができるようになります。
③ 言動の理解
さて、「① キーパーソンの見極め」と「② 人物像の見極め」で、Aさんがどの様な立場で、どの様な人物かは明らかになりました。
やっと仕事上の (狭義の)コミュニケーションの段階になるわけですが、コミュニケーションとは当然、「Aさんから自分へのアクション」「自分からAさんへのアクション」の繰り返しです。
またプライベートでの雑談とは違い、仕事上のコミュニケーションには、そのコミュニケーションを通じて達成したいゴールが必ずあります。
(意味のない会議はやめるべきという話にもなるのですが、ここではその話は置いておきます。)
まずは、会話やメール、チャットでのやり取りを通じて、「Aさんから自分へのアクション」の意図を理解しましょう。
もう少し正確に言うと、プロジェクトの目的達成やプロジェクト遂行において、Aさんは自分に何を求めているのか?ということです。
例えば新規事業の企画に際し、Aさんから
X社について調べておいてください
という指示があったします。
この場合、X社調査の目的、つまりX社を企画立案においてどの様な位置付けで見ているかが重要です。
調査目的が競合調査なのか、協業先探索なのか、或いは目的なく単にバズワードなのか、により調査内容や調査深度が変わるわけです。
もう1つ例を挙げましょう。Aさんから
それ、Y部長にも話通しとかなきゃならんなぁ
という発言があったとします。
この場合、Y部長が企画立案・実行においてどの様な役割を果たすかが重要です。
Y部長が決裁権者で決裁を仰がなければならない人物なのか、欠かせない人物 (もう1人のキーパーソン)で合意を取らねばならない人物なのか、協力して欲しいので餌を撒かなければならない人物なのか、はたまたどうでも良いがうるさいから耳に入れておこうという話なのか。
これによりY部長へのアプローチ方法や内容、誰がアプローチすべきかが変わるわけです。
このように、言動を単なる「言葉」として捉えるのではなく、その裏にある意図を理解することが本質的なコミュニケーションなのです。
④ 自身の発言
さて、最後に「自分からAさんに対するアクション」についてです。
これは自分からAさんへの発言や態度に関することですが、重要なのは自身の発言には2種類あり、それを使い分けるということです。
1) 相手の言動を理解するための発言
これは前項の「③ 言動の理解」を得るための発言です。
つまり、不明確な意図を明らかにするための発言がこれに当たります (相手の意図が既に明確である場合は、この種の発言は不要ということになります)。
ポイントはクローズドクエスチョンです。
先ほどの例を再度使うと、Aさんから
X社について調べておいてください
という指示があったとして、その意図が良く分からなかったとします。
であれば、Aさんに対して
X社は●●サービスが強い会社ですよね。競合になり得るとお考えですか?
というように、何のための調査なのかを明確にするために発言します。
或いはさらに踏み込んで
この手のサービスで収益が上がると思えませんから、商流が気になりますね
というように、何が調査の論点になるかまで明らかにします。
こうすることで、企画立案というプロジェクトの目的における指示の位置付け、その指示において担保しなければならない品質までを理解することができます。
間違っても
何のために調べるんですか?
というオープンな質問はしないようにして下さい。
そこには自分の意図が込められていないからです。
Aさんに意図がなければ良いですが、意図をもって発言する人物である限りは、同じように意図を込めて自分も発言すべきです。
(でなければ、Aさんに「コイツ頭悪いな」と思われ、その時点でAさんとのコミュニケーションが破綻します。)
2) 相手の意図を訂正・転換するための発言
Aさんの意図を理解した上で、プロジェクトの目的や状況と合致しない場合は、その意図を訂正したり、方針を転換してもらう必要があります。
自分の考えで暴走するのもいけませんが、YESマンもご法度だということです。
何故ならその意図を汲んだところで、一時的なAさんの満足感は得られるかも知れませんが、中長期的に見てプロジェクトにとってプラスになるどころか、マイナスになる可能性があるためです。
簡単な例を挙げると、
X社について調べておいてください
この指示が、今朝の朝刊1面にX社の記事が掲載されたことで注目しただけで、企画自体に何ら関係ないことが明確だとします。
あり得る話として、競合の大手自動車メーカーや銀行が同じ「AI」というワードで新事業を立ち上げたという記事を見て、サービス内容が異なるのが明確にも関わらず「え、この企画もAIやん!ヤバイヤバイ」というような話です。
この様な場合、Aさんの性格やAさん・キーパーソンの関係性にも依りますが、極論、調査する必要がありません。
したがって、
X社の始めた事業は▲▲で、ウチとは違いますが、それでもざっくり調べますか?
といった発言をAさんに対してすべきです。
基本的に調査する必要がない、仮に何か理由があって調査を行うとしても深く調査する必要はない、という意図を込めて。
もしかすると自分が気付いていない隠れた意図があるかも知れませんので、
やる必要ないと思います!
といった断定的な物言いは避けましょう。
結果Aさんが何を言うかはさて置き、プロジェクトの目的と合致していなければ、無駄な作業を行う分、プロジェクト全体の進捗が悪くなりますし、最悪、企画の根幹に意味のない議論を巻き起こすことになりかねません。
(鶴の一声でイケてない企画になってしまうことは間々あり得ます笑)
繰り返しになりますが、プロジェクトの目的と照らして相手の意図を理解し、自らも意図を込めて発言する、というのがプロジェクトにおけるコミュニケーションの基本になります。
まとめ
コミュニケーション力、いかがでしたか?
冒頭で考える系のスキルではないと言ったものの、意外と考えながら使いこなすスキルですね笑
社内外のプロジェクトに参画されている方、参画する予定の方は、ぜひ実践してみてください。
ではこの記事のまとめです。
- コンサルの必須基礎スキル3つの最後はプロジェクトにおける「コミュニケーション力」
- キーパーソンの把握と、相対する人物への理解がコミュニケーションの前提
- その人物理解を以て、相手の言動のプロジェクト遂行上の意図を理解することが何より大事
- 自分の発言にもきちんと意図を持たせよう
今回の記事は以上になります。
これで『【シリーズ】超重要!コンサルの必須ビジネススキル3選』は終了です。
第1弾・第2弾の記事をお読みいただいてない方は、ぜひそちらもご一読ください。
→ 第1弾「ロジカルシンキング」
→ 第2弾「仮説検証思考」
お読みいただき、ありがとうございました!
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